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Basic Level 4A《セーリング》

ベーシックレベル4Aでは正しいクローズホールド・ランニングを学んでいきましょう!

【4Aの目標と合格ライン】

セーリング

基準艇の近くに集合ができる

クローズホールド・ランニングを安定して走る。正しい角度で走る

艤装

コントロールライン(バング、カニンガム、アウトホール)の説明と風に合わせてセッティングできる艇の安全チェックと簡単なメンテナンス(トラベラー、メインブロックなど)

 

出着艇

2艇ペアで一緒に出着艇をする

RSaero の場合は着艇時にセールを降ろす

 

セーフティ

混雑した状況でも他艇にぶつからずに止まる落水者救助が出来る

 

テスト

月末にテスト日を設けます
基準艇にイントラが乗り、一緒にセーリングプラクティスに参加いたします
基準艇と同等のスピード、角度で走る事が出来れば合格となります

【4Aセーリング目次】

セーリング

- practice 1 -

【A グループの練習メニュー】

ベスト VMG 
1-1 高さを合わせて集合する

1-2 並んでビームリーチ→ストップ→ビームリーチ

1-3 並んでビームリーチ→クローズホールド

1-4 並んでひし形ブイをまわる

1-5ゲートスタートでマッチレース(上下1周) 

 

【チェックポイント】

2-1クローズホールドのベスト VMG

2-2クローズホールドの角度 = ベスト VMG の角度

2-3クローズホールドをキープするには

2-4クローズホールドのセールトリム

2-5メインシートの操作

2-6スピードと角度

2-7海面の様子によって変わる優先順位

2-8クローズホールドのボートバランスについて

2-9ヒールバランス

2-10ガスト(ブロー)を見てセールトリムで対処する

2-11クローズホールドから急激にベアする(風速6m~以上)

2-12ランニングの練習方法 

【Level4A セーリング】

目標

◦基準艇の近くに集合する
◦ クローズホールド・ランニングを正しい角度で走る 

→GOAL!

 

ベストVMG

角度とスピードの関係性をVMG(Velocity・Made・Good)と呼びます。このスピードと角度がちょうど良く、風上(風下)に向かう時間がもっとも早くなる角度のことを「ベストVMG」と呼びます。

Key word~キーワード

Yacht.jpg
BestVMG.png

セーリング~Sailing

Yacht.jpg

 

- practice 1 -

【A グループの練習メニュー】

1.高さを合わせて集合する

基準となる艇の後ろに高さを合わせて集合

practice1_img.png

- practice 2 -

2.並んでビームリーチ→ストップ→ビームリーチ

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- practice 3 -

3.並んでビームリーチ→ローズホールド

10 秒ほど走ったら

またビームリーチ

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3. 2. 1. クローズ!

高さを合わせたまま

一斉にクローズホールド

⇨くり返し

- practice 4 -

4.並んでひし形ブイをまわる

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- practice 5 -

5.ゲートスタートでマッチレース(上下1周)

1.スターター役の艇は下マークの左側(ポートタック)もう一艇は反対側で待機します

2.スターターは下マークに向かって走り、下マークを回航してクローズホールドで走ります

3.待機艇は、スターターと下マークの間をクローズホールドで通過(スタート)

4.スターターは相手が自分の後ろを通過したらタッキング

5.あとは自由に走ってレース(上下1周)下マークを周ってクローズに向いたらゴール

6.負けた艇がスタートになってくり返し

ゲートスタート練習

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セーリング~Sailing

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CHECK POINT!

【クローズホールドのベストVMG】

クローズホールドとはNO GO ZONE(走れないエリア)ぎりぎりに風上に向かって最も早く走る角度のことです。セールをいっぱいに引き込んで少し風上へ上るとセールがフラップして失速する手前のところです。風速が変わればクローズホールドの角度も変わるのでとても難しく練習が必要です。

 

クローズホールドの最適な角度を考えてみましょう

 

風上に向かい過ぎると、急激にスピードが遅くなってしまう

風下に向かい過ぎるとスピードは上がりますが、なかなか風上に到達出来なくなってしまう

クローズホールドの場合、スピードと角度の関係が大切になります。

角度とスピードの関係性をVMG(Velocity・Made・Good)と呼びます。

この、スピードと角度かちょうど良く、風上に向かう時間がもっとも早くなる角度のことを「ベストVMG」と呼びます。実際には風域によりセールの出し引きや風上への角度の上下(上り気味(high)や落とし気味(Low))などを調整することによってパフォーマンスを最大限にします。

【クローズホールドの角度= ベストVMG の角度】

ベーシックではまずスピードを重視してLow & Fast から始めましょう。
トップ選手よりもメインシートは少し出し気味でもよいので、スピードを走り、慣れてきたら少しづつ上り角度を追及してください。

高さが低い(Low) スピードが遅い(Slow)
高さが低い(Low) スピードが速い(Fast) レベル4目標
高さが高い(High) スピードが遅い(Slow)
高さが高い(High) スピードも速い(Fast) (難) ベストVMG

他艇より、Higher & Faster を目指しましょう!

クローズホールドのベストVMG

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【クローズホールドをキープするには】

クローズホールドのセールトリム】

4~6mの風ではブームがトランサムの角までメインシートを引き込まないとクローズホールドの角度まで風上に行くことができません。シートが出すぎていると、風下へ向かってしまうので注意しましょう。微風、軽風ではトランサムの角よりも出して走ります。

【メインシートの操作】

・中風⇒いっぱいにひく(リーチが閉じている状態) 
・微風、強風⇒メインシートを少し出してスピードを重視する

基本的には引きこめることろまで引き、スピードが落ちた時は少し5~10㎝程度出す、この繰り返しです。慣れるまでは出し気味の状態で一定に走ると楽に乗れます。安定して走っている上級者はあまり大きなシートの操作を行っていない様に見えますが、実際にはわからない程度に細かいシート操作を行っています。程度は状況によって異なるので他のヨットと比較して経験を重ねていくしかありません。高度な技術なので時間をかけてマスターしましょう。

 

 

※注意すること

風向が変化したり、風上に上りすぎてしまった場合は、メインシートをそれ以上引けないので、ティラーとボートバランスを使い風下へ向かうように修正します。通常クローズホールドではリーチの形状により上り角度が変わります。リーチが適正に閉じていると上り角度がよいのですが、閉じすぎていると失速し、開きすぎているとスピードは出ますが角度が不足します。後のセールセッティングで説明します。

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【スピードと角度】

以上のことを練習しながら、スピードと角度が一番良い状態になるように走ります。もっと風上へ行けないかと何度も試してみることが必要です。

 

 

まずはスピード重視


次に角度をなるべく風上に向ける練習( 失速しないギリギリを見つける)

ベストVMG にもっていくには
ゆっくり風上に向かいながらメインシートを一杯に引いてくる。そこからまた上ると急にスピードが落ちるので、テルテールが流れるように少しだけベアする、艇のスピードがないと時はメインシートを少し出す、スピードが着いたらまたセールを引く、上るを繰り返します。

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ボートバランスとセールトリムを利用して、できるだけティラーを使わずにテルテールが両サイドとも綺麗に流れている状態を目指しましょう。練習方法として、

1.最初はテルテールをずっと見て走る。
2.次に、テルテールを見ずに周りを見ながらボートバランスに注意して走る。
3. 最後にテルテール、進行方向、他艇の角度、風向を20 秒毎にみて1 分で3 回程度いろいろなところを見るように習慣づける。

実際には最初のうちテルテールに集中してしまうことは仕方がありません。

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【海面の様子によって変わる優先順位】

波のある海面 スピード重視    
波のない海面 高さ※重視
微風、敬風  スピード重視
順風     高さ※重視    
※高さについての説明(着艇参照)

【クローズホールドのボートトリムについて】

基本的にはフラットになるようにします。(前後のボートトリム)
前後のトリムの目安は、水面とデッキが平行にになっていることです。スターンの引き波を見てスムーズに流れていればOK です。風が強くなるとバウが沈み水が入ってくるので、乗艇位置はほんの少しだけ後ろよりに乗ります。

​前後のボートトリム​

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【ヒールバランス】

フラットが基本ですが、微風の場合は、少しヒールをさせて前に乗ります・節水面積を減らしスタンを引きずらないことで、スピードを維持しやすくなります。

【ガスト(ブロー)を見てセールトリムで対処する】

風が強くなればハイクアウトをして艇をフラットにします。ハイクアウトをしてもヒールが抑えられないときは、コントロールライン(キッキングストラップ=バング・カニンガム・アウトホール)でパワーダウンをします。それ以上強くなったらセールを少し出して、ラフに少し裏風が入りながらクローズホールドの角度を維持して走ります。

 

ブローが見えたら、セールを出す準備をして、ブローに入る瞬間にシートを出し、艇がフラットならすぐに引きます。北風のブローの強い日はこの繰り返しです。

 

ポイントは、

「ブローを事前に見つけること」

「セールを出したらすぐにシートを引くこと」の2点です。

 

何故、ガストでセールを出してすぐにシートを引くのか、アパレントウィンドについてもう一度振り返ってみましょう。

 

セールトリムとボートの関係(セーリング原理参照)

 

ガストに入ったらシートを出してアパレントウィンドにセールの角度を合わせます。ボートスピードが上がってきたらメインシートを引いてくるとまた元の角度まで引き込めます。アパレントウインドが変わるので、メインシートを出しても角度は変わらないということを理解しましょう。

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【クローズホールドから急激にベアする(風速6m~以上)】

クローズホールドで他の艇にミートする時に一気にベアする時の手順を確認しましょう。クローズホールドで走りながら十分にスペースを空け、

 

1 バングを緩める

2 メインシートを大きく出し、メインセールに合わせてティラーを少し使いベアする。

3 相手艇が通過する時には自艇はクローズホールドになっていることが重要です。ベアする時、ボートバランスはフラット(ややウィンドワードヒール)を保ちます。

※注意すること

ティラーを使って強引にベアしないこと(抵抗になりスピードが落ちます。またオーバーヒールして沈をしたり、ベアしきれずに相手にぶつかる危険があります。)反対タックのクローズの艇を避けるときには、十分にスペースを空けることが大切です。

 

急激なベア

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【ランニングの練習方法】

ランニングの定義:真の風がほぼ真後ろから風が来る角度の走り方です。
風を真後ろに受け、まっすぐ速く走れればよいのですが、軽風、順風の場合は、風が弱いところは少し角度をつけブロードリーチ気味で走り、ブローでベアしてランニングで走ると速く目標に到達します。波のある日のランニングは難しいですが、慣れてきたら多少進行方向よりもずれていても波に乗ってスピードがある方向で走ります。ランニングの時に急にヨットが大きく左右に揺れる事をローリングすると言います。バランスを崩して沈をすることもあるので注意しましょう。

【!!POINT!!】

・バングテンションと、センターボードに注意が必要です(ランニングのバングセッティング参照)
・風が強い場合はブロードリーチで走ったほうが安定します。
・ランニングのままジャイブしようとせずに、ブロードリーチからブロードリーチのジャイブが基本です。
・バイザリーという走り方もありますが、次のステップで練習ましょう。


・ランニングのボートバランス:

前後のバランスは海面にフラットでスタンの引き波を見てスムーズに流れ、ヘルムがニュートラルでまっすぐ走る位置がベストです。微、軽風の場合は、スタンを引きずって抵抗にならないようになるべく前よりに乗ります。アンヒール(ウィンドワードヒール)させてセールの中心と艇の中心が一致することで艇を安定させ、走りやすくなります。

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・センターボード:

ランニングではセンターボードを上げて水中の抵抗を減らした方がよいと言われていますが、センターボードの断面形状がよければそれほど抵抗にはなりません。センターボードを通って水流がラダーの方向へ流れていくためにセンターボード深く入っている方がラダーの効きが良くなります。センターボードを下げると重心が下がり安定するので、ローリングが少なくなります。ローリングに対する急激なヒールに対してラダーで修正することがあるため、センターボードの上げすぎに注意してください。

参考:急激な方向転換をしにくくするためにトーイング時にはセンターを少しあげます。

・セールトリム:

ブロードリーチまではセールのテルテールを両方なびかせるように風を流しますがランニングでは、テルテールは使いません。テルテールをなびかせるようにセールを合わせると、出しすぎになってしまいローリングが激しくなります。はっきりとした目安はありませんが進行方向に対してブームが直角になるくらいまでメインを出します。( デッドラン) これを目安にうまく走れるところを探してください。

 

強風時はランニングはせずにまずはブロードリーチで走りましょう。上級者はデッドランの角度のままメインをオーバートリムしてパワーダウンする方法もあります。センターボードを下げ気味でバングを少し入れ安定させてください。風速や艇種類によっても変わりますが基本原理をしっかり理解し状況に応じて優先順位をつけましょう。

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