ベーッシクレベル4Bではグループでスピード練習をするために必要なスキル、風域が上がっても安定して走れるテクニックを学びましょう!
【4Bの目標と合格ライン】
セーリング
高さを合わせて並んで止まる
並んでクローズホールドを走りながら
・コントロールラインを合わせる
・ガストを見てセールトリムで対処をする
・波の中でフラットを保って走る
・正しいフォームで継続的にハイクアウトができる(70%の力で)
・タイミングを合わせてタッキングする
並んでランニングを走りながら
・キッキングストラップ(バング)センターボードの調整
・バイザリーを走れる・ミートした場合に他の艇と接触を避けることができる(急激なベア、タック)
・ゲートスタートから練習ができる
艤装
RSaero の取り扱いと注意
出着艇
安全部位を使ってRSaeroの出艇ができる
RSaero でセールを上げた状態での正しい運び方
ぶつけない様に船台に乗せる
セーフティ
RSaero のキャプサイズリカバリー
海上での軽度なトラブルリカバリー
(メインシートが外れる、ブームタイが外れる)
ボートにつけて剰員交代
キーワード
風に対する高さ
ウィンドシャドー
ゲートスタート
バイザリー
【Level4B セーリング】
目標
高さを合わせて並んで集合する並んでクローズホールドを走りながら…
◦ コントロールラインを合わせる
◦ ガストを見てセールトリムで対処する
◦ 波の中でフラットを保って走る
◦ 正しいフォームで継続的にハイクアウトする(70%の力で)
◦ タイミングを合わせてタッキングする並んでランニングを走りながら…
◦ キッキングストラップ(バング)センターボードの調整をする
◦ バイザリーで走る
→GOAL!
セーリング~Sailing~
- practice 1 -
【ビームリーチからstop&go~】
インストラクターの艇(ボートの場合もある)の後ろを、高さを合わせてビームリーチで走りましょう。
途中でスローダウン、ストップ、加速などを行っていきます。
リーダーの艇と高さを合わせたまま止まれる様に練習していきましょう。
ビームリーチで止まれるようになったら、風上に向けて止まる練習をしましょう。タックをしないように注意が必要です。
- practice 2 -
【ビームリーチ~ブロードリーチ stop&go~】
ビームリーチ→クローズホールド→ビームリーチ→ブロードリーチ→ストップ
- practice 3 -
【ビームリーチ~高さを合わせてクローズホールド~ランニング】
並んで止まり、ビームリーチを走っている状態から先頭の艇が合図をして一斉にクローズホールドに向きを変えます。タイミングを合わせるのが難しいので、最初はこの動作だけ何回も練習してもよいでしょう。慣れてきたら長い距離を一緒にクローズホールドで走ります。下側の艇がタックしたら上側の艇が順番にタックします。それを繰り返しながら上マークまで走り、ランニングで戻ります。
並んで上下マークを走る
- practice 4 -
【ゲートスタートでレース】
ゲートスタートができると、スタートラインがなくてもイーブンでスタートしてレース練習ができます。
1.スタータ役の艇は下マークの左側、もう一艇は反対側で待機します。
2.スタータ役の艇は下マークに向かって走り、下マークを回航してクローズホールドで走ります。
3.待機していた艇はスタータ役の艇と下マークの間をクローズホールドで通過できるように走り出します。
4.スタータ役は全ての艇が自分の後ろを通過したらタッキング後ろの艇は自分の好きなタイミングでタッキングしていきます。
5.先行している艇は相手が自分の真後ろを通ったらタッキング
6.あとは、上マークまで繰り返し
7.上マークを回ったら、ランニングで下マークに向かいます。先行艇は、後続艇と下マークを結んだ線の上にいるように走ってみましょう
ゲートスタート練習
セーリング~Sailing~
!!CHECK POINT!!
【高さを合わせて並んで止まる】
素早く集合ができると練習メニューを伝えたり、アドバイスをしたり、緊急時の連絡もスムーズになります。集合の合図があったら、マークの横で風に対する高さが同じところで集合をしてください。艇を風位に向けた時にブームに対してマークが直角の位置に見えるところです。
基準となる艇と高さを合わせて集合
位置が分かったら、ティラーを大きく押して風上から60度くらいに向けて止まっていてください。高さを合わせられるとクローズホールド、ランニングでイーブンで練習が開始できます。あまりラダーを使わずに、ゆっくり止まることができることと、位置関係を理解できていることが大切です。
セーリング~Sailing~
!!CHECK POINT!!
【風に対しての同じ高さで並んで走ることをもう一度確認しましょう】
他の艇と風に対する高さが同じ時、その艇と並んでいる(イーブン)と表現します。赤色の艇を基準とすると、それぞれ以下のようになります。ビームリーチ、ランニング、クローズホールドの並んで走っている状態をみていきましょう。
ビームリーチ
ランニング
クローズホールド
風に対して、他の艇より自分が高い位置にいるのか、低い位置にいるのか意識しながら練習して行きましょう。
セーリング~Sailing~
!!CHECK POINT!!
【風が振れたらどうなるか考えてみましょう】
イラスト1はa,b,c,の順番に高さが高くaがリードしています。風が30度右に振れたらどうなるでしょう。
風が右に30度振れたら
a,b,c は同じ高さでイーブンになります。風が変わると高さが変わることを覚えておきましょう。
【ウィンドシャドー】
ウインド・シャドー
風が障害物によって遮られているところをウインド・シャドーといいます。
このウインド・シャドーとその周辺は風がきれいに流れていません。このきれいに流れていない風を乱れた風と呼びます。 走っているヨットの周りにも乱れた風が生じます。ヨットが前に進んでいる場合、乱れた風はヨットに乗っている人から見て風下やや後方に伸びていきます。
※ピンク色の線が乱れた風
乱れた風のエリアに艇が入ってしまうと、その艇はよいスピードで走ることができなくなってしまいます。並んで走る際には、他の艇との位置関係に注意してこのエリアに入らないように注意しましょう。
セーリング~Sailing~
!!CHECK POINT!!
【バイザリーの走らせ方】
バイザリーとはセールのリーチ側から風を流す走り方です。セールは進行方向に90度くらいを目安にします。ジャイブして、反対タックのランニングを走る角度と同じです。レベル4では風速5m程度まで走れればOKです。それ以上の風になると安定して走れない人はセーフティーランで走りましょう。上級者は波に乗りやすく安定して走れます。
【Level4B 艤装】
目標
◦ RSaeroの艇の取扱、正しい艤装、解装
◦風、波に合わせたコントールラインのセッティング
→GOAL!
RSaero は軽く強固な素材を使っていますが、一点にとがったものがぶつかるとクラックが割れやすいという特徴があります。また、艤装システムにも様々な工夫がほどこされていますので正しく覚えて注意して使用して下さい。
【RSaero の取扱いと注意】
1. 船台に艇を乗せるときに船台の受けがサイドにあたると傷がつくので注意する。
2.センター、ラダーを艇に置くときはそっと置くこと。
3.メインセールを一気に下ろすとブームがガンネルにあたって割れることもあるため、ブームに気を付けてセールを下ろすこと。
4.メインハリヤードを引く時はマストトップにあるクリートから必ず外して引く。クリートが摩耗するとハリヤードがかからなくなる。上まで上げてクリートをかけ、カニンガムを引いたところでメインハリヤードをもう一度引くと上まで上がる。
5.ラダーのシート、ラダーヘッド、ティラーのジョイント部分はよく潮だしをすること。
【Level4B 出着艇】
目標
◦安全ブイを使って一人で出着艇(波のない時のみ)
→GOAL!
RSaero は砂浜に置くとボトムが傷つかないように1人の場合は出艇ブイを使って出着艇できるように練習しましょう。
出艇
1.潮汐の確認
2.戻ってくる時間の水深に合わせてアンカーリングする
アンカーロープは水深の3~4倍
アンカーとは別にブイから50㎝程度バウに繋げるロープを出しておく
3.ロープにヨットのバウをつなぎ、船台を浜に上げる。ロープをバウから外して出艇。
着艇
1.バウにロープをつなぎメインセールをおろし、センターラダーを上げ、船台を取りに行く。
【Level4A セーフティ】
目標
◦海上での軽度なトラブルリカバリー
◦RSaeroのキャプサイズリカバリー
◦ボートにつけて乗員交代
→GOAL!
!!CHECK POINT!!
海上で起こりうる以下のトラブルの対処方法を知っておきましょう。
【ラダーが外れた】
(対処方法)
その場で再びセットし直します。まず、周囲を見回し、危険が無ければ作業に取り掛かります。もしも、周囲に危険(他の船など)がある場合、沈をさせて艇が勝手に走り出すことがない状態にして作業をしましょう。
※必ずラダーを振り上げた状態にして、セットし直しましょう。ラダーを下したままだととりつけられません。
【メインシートが外れた】
(対処方法)
ブームを直接手で持ち、セールに風を入れ艇を走らせます。走ることが出来たら風位に向け、艇が風位に向いている間にシートを通し直します。
【ブームが外れた】
(対処方法)
艇を止め(風位でなくてもよい)、キッキングストラップ、アウトホールを緩め、ブームを付け直します。
【メインシートがブームに絡んだ(アウトホールのあたり)】
(対処方法)
風位に向けて、素早く絡まりを外します。無理な場合は沈させて直しましょう。
【エクステンションが取れた】
(対処方法)
ティラーを直接持ち、自走して帰着します。
【マストが半分に折れた】
(対処方法)
半分のマストで自走して帰着します。
※余裕があれば、折れた上部の部分をロープでどこかにまとめておきましょう。
【Level4AB 共通練習(微軽風)】
目標
セーリング~Sailing~
風速0~1mのときの練習
【練習の目的】
船を揺らして推進力に変える動作をロッキングといいます。パンピングとはセールをあおって推進力に変えることです。これらの動作がどう推進力につながるかを知ることも大切です。レースでは反則になることもありますので注意しましょう。
【ロッキング】
(スッテップ1)
セールを引きデッキに立ちティラーを持ちながら左右のデッキに足を置き立ち上げます。頭を固定し足の踏み込みで体重の移動をして艇をロッキングさせる。5分から10分程度接触を避けるように各艇10m以上離れて行う目標マークを決めそこより100m以上離れたら戻ってきます。艇を左右に揺らすとセンターボードが水中を漕ぐことにより推進力になります。バウを沈めるとセンターボードの角度が後ろになるのでより効果的です。(魚のしっぽのようになる)
(スッテップ2)
ラダーを水中から上げてロッキング
1で感覚をつかんだら次はラダーを上げます。ラダーを上げると水中の抵抗の位置が変わるため中心が前方へ移動します。そのために乗る位置を前方へ移動させます。目安は風が1-2m吹いたときに艇をフラットにさせた状態でヘルムがニュートラルな位置です(レーザーはマストの前方、aeroはマストの後ろ)
(練習の際に意識してほしい事)
・センターを入れた時、入れないときの違いを知る
・セールを引いているときと引いていないときの違いを知る。
・前に乗っているときと後ろに乗っているときの違いを知る。
【パンピング】
セールをあおって風を入れることにより推進力につなげます。風がない時はセールを引き込んだ状態で行った方が風を入れやすく効果的ロッキングに合わせたタイミングで行うとより効果的。風がある時にダウンウィンドで波に合わせてパンピングすることもありますが、それとは別の練習です。
【スカリング】
ラダーを動かすことにより推進力にする。降り角度を後ろにすると効果的です。
ロッキング、パンピング、スカリングでは競技では制限され、必要以上のものは違反となる場合があります。風のない場合にビーチに戻る場合には有効な手段なので覚えておきましょう。
風速2m~3mの場合
【ラダーレスセーリング】
ヨットはラダーが無くてもボートバランス、ボートトリム、セールトリムで走ることができます。ラダーを大きく動かすと抵抗になりスピードに影響があります。ラダーを使わずにセーリングしてみましょう。
まず、ラダーを入れた状態でメインシートのエンドもしくはショックコードを用いてティラーを固定します。ティラーは多少動いてもよいですがニュートラルでない状態で、固定してはいけません。その状態でビームリーチを走ります。ボートバランス、ボートトリム、セールトリムを利用して、まっすぐに走る自分の乗る位置を確認してください。シートを引いて少しヒールをつけると風上に行きます。シートを出しながらウインドワードヒールをつけると風下に行きます。慣れてきたらブロードリーチ、クローズリーチを走ってみましょう。慣れてきたらヨットの上に立って走ってみましょう。よりヨットの動きが分かりやすいです。
次に完全にラダーを上げて同様に行います。今度はタックもやってみてください。ボートバランス、ボートトリム、セールトリムを重要性を確認できるでしょう。